偏頭痛は典型的には脈打つような頭痛発作を繰り返す病気です。10代から20代で発症することが多く、国内に840万人の患者さんがいます。頭痛以外にも吐き気や光過敏、音過敵などの症状を伴うことがあり生活に大きな影響を与えます。
偏頭痛はどうやって抑える?
偏頭痛のメカニズムとしては、脳血管の急激な拡張や三叉神経(さんさしんけい)の炎症の関与が考えられていますが、未だにはっきりしないようです。
治療としては市販の頭痛薬やロキソニンのほかに、脳血管の過度な拡張を抑制するトリプタン製剤が特効薬として処方されています。また類度が高い場合は、発作を予防するためにカルシウム結抗薬や抗てんかん薬、B遮断薬などが処方されますが、現在注目を集めている新薬が、CGRP関連製剤です。
CGRPとは?
三叉神経から放出される、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と呼ばれる化学物質がありますが、このCGRPが受容体と結合することで血管を拡張させ、炎症を引き起こすとされており、偏頭痛発作のメカニズムにおける重要な因子と考えられています。このCGRPをターゲットとした薬が現在、世界中で競って製品化されています。
偏頭痛患者はCGRPを過度に放出している
実は偏頭痛は内因性カンナビノイドの不足によって、引き起こされているのではないかと示咬する研究結果が報告されています。内因性カンナビノイドとは、身体の中で作られる大麻に含まれる化合物と類似した作用と構造を持つ物質のことです。
2007年、イタリアのペルージャ大学の研究チームが偏頭痛患者と健常者の髄液中に含まれる化学物質の量を比較したところ、偏頭痛患者では内因性カンナビノイドの一種であるアナンダミドが少なく、CGRPが多かったのです。またアナンダミドとCGRPの値には負の相関が認められ、アナンダミドが減少するとCGRPの放出が多くなることが判明しました。
これらの結果から、アナンダミドが何らかの理由で足りなくなるとCGRPが増えて、偏頭痛を引き起こしているのではないかという仮説を立てたイーサン·ルッソ博士は、2008年にエンドカンナビノイド欠乏症(CECD)という疾患概念を提唱し、偏頭痛は内因性カンナビノイド不足によって引き起こされる疾患の代表格と論じています。
カンナビノイドを補うという治療法
もしも偏頭痛が内因性カンナビノイドの欠乏によって引き起こされるなら、体外から大麻由来のカンナビノイドを補うことで治療するのは非常に理にかなった治療戦略ではないでしょうか。
実際に、ドイツ、オーストリア、スイスで行われた医療大麻の用途について調べたアンケート調査では、10.2%の利用者が偏頭痛の緩和・改善を目的にCBDオイルを使用していると答えていました。CBDオイルは偏頭痛発作時の鎮痛薬としても予防薬としても有用であるようです。
2019年にワシントン州立大学心理学部のキャリー・カトラー教授らは、頭痛に対してCBDオイルを使用した前後の痛み記録(頭痛に対して1万2293回、うち偏頭痛に対して7441回のCBDオイルを使用)を分析し、効果についての評価を行いました。
すると、頭痛に対してCBDオイルを使用した場合の89.9%、偏頭痛に対して使用した場合の88.1%で痛みの軽減が得られていたことが判明しました。痛みの程度としては平均すると使用前の50%程度に軽減していることが明らかになったそうです。
またニューメキシコ大学の経済学部と心理学部の研究チームは2016年6月から2019年2月までに、582名分の偏頭痛に対するCBDオイルの使用記録を調査しました。
すると使用者の94%が2時間以内に痛みの改善を自覚していました。痛みの程度は、CBDオイル使用前は6.44点/10点だったものが、CBDオイルを使用することで平均3.3点/10点の鎮痛効果が得られたという結果が示されました(鎮痛効果がおよそ50%程度という点で、先述の研究と同じ結果を示しています)。
また、テクニオン・イスラエル工科大学の生物学者ジョシュア・アビラムらは、大麻に含まれるマイナーなカンナビノイドが重要な役割を果たしている可能性を指摘しています。
偏頭痛の患者に医療大麻を使用した結果、患者の61%に効果が認められましたが、効いた患者と効かなかった患者の間にどのような違いがあるのかを分析してみたところ、著しい効果が得られた患者が使用した品種からは、未だ正式な名前を持たない「ms_373_15c」と呼ばれるカンナビノイドが多く検出され、効果が乏しかった患者からは「ms_331_18d」と呼ばれるカンナビノイドが多く見つかったのです。
これらは、カンナビノイドの中でも0.28%と0.11%を占める極めてマイナーなカンナビノイドですが、我々が未だ解明していないメカニズムで偏頭痛に対して薬効を発揮している可能性が期待されています。
これらの研究の結果、偏頭痛に対してCBDをはじめとするカンナビノイドは最新のCGRP関連製剤と同程度か、それ以上に効果がある可能性があるとして様々な研究が世界各国でおこなわれています。
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